機能塗装

弊社がテーマとしているのは「機能塗装」という考え方です。着色だけではなく、防錆、触感、潤滑、導電といった機能を塗膜に付加。アパレル製品(服、ベルト、鞄、アクセサリー等)から生活雑貨、精密電子部品、自動車部品に至るまで幅広い分野で豊富な実績があり、お客様より確かな信頼をいただいております。特に、大手アパレルメーカーや有名ブランドの金具部品に弊社の技術が活躍中です。

時にはお客様と一緒に特殊な塗料を研究開発するなど、世の中に販売されていない塗料は自社で作ってでもお応えします。新製品開発のパートナーとして求められるハードルをひとつひとつ飛び越える、それこそが「機能塗装」の可能性を広げることだと確信しております。

多彩な色展開

キラキラと輝きを表現する意匠であるメタリック色やパール色、半透明で下地の意匠を生かして着色するカラークリヤー色、暗闇でもうっすらと光を放つ「蓄光」という特殊な意匠等、多彩な表現が可能です。

さらに、弊社では2001年(平成13年)より自動調色機を導入。一般的なソリッド色であれば、従来では1色につき4Kg以上の製造が必要な塗料を少量で必要な分だけ製造可能です。自社内で配合データを管理し、これまでに作られた色の数は20,000色以上に及びます。自動制御の配合システムにより高精度で素早く色を作ることができるので、ますます早くなる時代の変化に対応すべく、少量多品種かつ短納期の生産体制を確立しております。

小物塗装技術

弊社は設立当初から現在においても、ボタン、ホックをはじめとしてハトメ、カシメ、バックル等、10mm前後の小さな部品への塗装が主力事業。500mm×500mm×高さ200mm以内に収まる素材であれば、小ロットから大ロットまで柔軟に対応可能です。

また、昭和50年から塗装ロボットを導入。現在に至るまでロボットの更新を積み重ねており、1000分の1mm単位で高精度の塗装膜厚制御技術を追求してまいりました。金属製部品には弊社独自仕様の前処理装置を活用し、安定した塗装品質の確保に効果を発揮しております。

環境への対応

1970年より洗浄用途に使用される事の多いトリクレンを生産工程から廃絶、1980年より重金属を含んだ塗料の廃絶を行い、これらの物質が問題とされていなかった時代から積極的な取り組みを積み重ねてまいりました。環境負荷物質に関する対応はお任せください。

また、自動調色機の活用によって小ロット生産品でも塗料を必要な量だけ製造できるため、従来余ってしまう塗料の廃棄量を削減する効果にもつながります。無駄が少なく産業廃棄物の処理コストの負担も軽減され、環境負荷低減にも寄与しております。

多様な塗膜機能

今なお根強い人気を誇るカシオのG-SHOCK、Baby-G。その生命線である耐衝撃性能をより一層サポートしているのがワイヤープロテクタ部品への塗装技術です。

硬度と屈曲性という相反する機能を両立させ、金属製素材と塗膜を含めたワイヤー直径寸法公差±0.015mm以内という厳しい要求品質をクリアしています。多様な機能塗装技術と高精度の塗装膜厚制御技術との合わせ技です。

塗膜機能の主な事例

表面保護

防錆、キズ防止、耐摩耗性等、表面の保護に塗装が活躍します。

触感

滑らかでソフトな肌触りを付与します。光沢を抑えた落ち着いた質感です。

蓄光

光を蓄えると暗闇でもほんのりと光を放ちます。非常用や夜間用の表示機能として活用できます。

反射・蛍光

光の特殊な反射によって、塗膜表面がより明るく鮮やかに光ります。

メッキ変色防止

メッキ加工後に塗装を加えることによって、メッキ表面の変色を防ぎます。

ガラス飛散防止

ガラスが万が一割れてもガラスが散らばらなくなる塗装加工。安全対策に最適です。

導電

通常電気を通さない合成樹脂の塗膜に電気を通す効果を付与します。静電気の帯電防止効果にも。

固形潤滑

塗装表面を滑りやすくします。特にオイルを使用できない摺動部位で活躍します。

優れた塗膜性能

洋服のホック部分への塗装は無鉛塗料を使用しております。万が一赤ちゃんが舐めても害がない塗膜であると同時に、毎日のご家庭でのお洗濯でも剥がれない耐久性があります。

塗装の出来栄えはお顔のお化粧と同じで下地(素材の材質や状態)を知ることが重要です。弊社で塗装可能な素材は金属を中心に、プラスチック、ゴム、ガラス等、様々な実績があります。

塗装可能な主な素材

  • 金属製品
    • ステンレス
    • メッキ加工品
    • 真鍮
    • アルミニウム
    • マグネット
  • プラスチック製品
    • ABS樹脂
    • PC樹脂
    • PMMA樹脂
    • PP樹脂
    • PA樹脂
    • POM樹脂
  • その他各種素材
    • ゴム
    • ガラス
    • 皮革

POM(ポリアセタール)樹脂も塗装可能に

弊社では、従来塗装が非常に困難であるエンジニアリングプラスチックの一種であるPOM(ポリアセタール)樹脂の塗装を特殊な表面処理技術にて実現。優れた機械的性質を持つPOM樹脂への塗装は、金属部品の代替材料として部品の軽量化や多彩な意匠付与に貢献する可能性を秘めております。

ものづくりの町、東京都墨田区の荒川沿いで90年。

近隣は繊維・皮革や機械、浅草地区は履物や靴、鳥越浅草橋地区は雑貨や鞄、横山町馬喰町地区は服飾といった産業が集積しており、弊社へ直接来社され塗装をご依頼いただくお客様もいらっしゃいます。また、地元高校生のインターンシップ受け入れにも参画しております。

創業100年に向けて、これからも地域の皆様と共に。